2020年3月アーカイブ

カイオムががん治療用抗体CBA-1205に関する治験計画届を提出
 Kabtan 20/03/24
  カイオム・バイオサイエンス<4583>がこの日の取引終了後、がん治療用抗体CBA-1205に関する治験計画届を3月24日付で医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
 CBA-1205は、同社が開発した肝臓がん、肺がんなどの固形がんの細胞表面に発現するたんぱく質DLK-1を標的とするヒト化モノクローナル抗体。現時点でDLK-1を標的とする治療薬は上市されておらず、臨床開発に進んでいる治療薬候補もないとしており、そのため行われる治験はDLK-1を標的とする治療薬として世界で初めて患者に投与する第1相臨床試験となるという。なお、同件による20年12月期業績への影響はないとしている。
   https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202003240726

※株式会社カイオム・バイオサイエンス 「がん治療用抗体CBA-1205の治験計画届の提出に関するお知らせ」(pdf)
  
令和元年度がん対策推進企業アクション統括セミナーを開催
がん対策推進パートナー賞・厚生労働大臣賞を表彰

  innavi net 20/03/23

  2020年3月18日(水),時事通信ホール(東京都中央区)で,がん対策推進企業アクションが令和元年度の統括セミナーを開催した。同アクションは,がん検診受診率の50%以上への引き上げと,がんになっても働き続けられる社会の構築をめざす国家プロジェクトで,厚生労働省の委託事業として2009年に事業を開始。がん対策啓発ツールの作成や出張講座などを行うほか,ともにがん対策に取り組む企業・団体を推進パートナーとして募集し,登録した企業・団体数は2020年3月13日時点で3315社・団体に上る。
  また同アクションでは,がん対策に特に積極的な取り組みを行う企業・団体を毎年表彰しており,本セミナーで令和元年度の表彰式が行われた。
  厚生労働大臣賞は,社内で「治療と仕事の両立支援ガイドブック(本人編,上司編)」などを作成,活用している野村證券(株)が受賞したほか,がん対策推進パートナー賞のうち,「検診部門」はテルモ(株),「治療と仕事の両立部門」は田辺三菱製薬(株)と長野朝日放送(株)の2社がそれぞれ受賞した。また,「情報提供部門」は,「がん予防と治療と仕事の両立支援」をテーマに,東京大学医学部附属病院の中川恵一氏の講義とe-learningを行った富士通(株)が受賞した。
 
  https://www.innervision.co.jp/report/usual/20200501
低用量アスピリンで肝がんリスク低下
スウェーデン・肝炎患者5万例超の解析

  メディカルトリュビューン 20/03/23

 B型/C型肝炎患者で低用量アスピリンを服用している者は、非服用者と比べて肝細胞がんリスクや肝関連死リスクが有意に低かった。米・Massachusetts General HospitalのTracey G. Simon氏らがスウェーデンの登録データを用いた研究結果を、N Engl J Med2020; 382: 1018-1028)に発表した。一方、消化管出血リスクは服用者と非服用者で有意差は示されなかった。

肝疾患の進行抑制示す報告も

 B型/C型肝炎患者は肝細胞がんリスクが高いが、肝炎患者の肝細胞がん予防や肝硬変による死亡リスクを低減する確立された治療法は今のところない。一方、これまでに複数の研究でアスピリンが肝疾患の進行を抑制する可能性が示唆されていたが、欧米における疫学データは少なかった。

 そこでSimon氏らは今回、スウェーデンの登録データSwedish Register for Surveillance of Communicable Diseasesなどを用いて、B型/C型肝炎患者における長期の低用量アスピリン服用と肝細胞がん、肝関連死、消化管出血の関連について検討した。

  https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0323524723/?utm_source=mail&utm_medium=recent&utm_campaign=mailmag200324&mkt_tok=eyJpIjoiTUdJeVlqbGpZalE0WmpCaCIsInQiOiJHTENzUVwvNWNGeTYzK0xCN0pJUTBLUnRGeFVMSzFPXC92Q29KbERTdHNHcmdhOHRacnEyT1BvR2ZLTEs4ZlFYV1F5Yys5VGdQaHZISkRua3hzWFh1MFFROHgyTlBCZ3Z5WFhxZGczaTMxTVZBSFZkYmo2TWIrRGpyc0F2eTJpVCtkIn0%3D


緩和ケア病棟、増加の一途 30年で全国431施設に
 神戸新聞 20/03/21
 入院したがん患者らの心身の苦痛を和らげる「緩和ケア病棟」が増加の一途をたどっている。NPO法人日本ホスピス緩和ケア協会(事務局・神奈川県)の調べによると、医療制度化された1990年度は全国に5施設だったが、2019年11月時点で431施設に増え続けている。兵庫県内では23施設が患者と家族に寄り添っている。
 同協会が、厚生労働省地方厚生局が届け出を受理した緩和ケア病棟の名簿や協会会員(369施設)のデータなどから、90年度以降の施設数や病床数の推移を調査。19年11月時点の病床数は全国で8808という。
  https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/202003/0013212162.shtml

がん患者の「緩和ケア」...大切な時間 痛み抑えて
 読売新聞 20/03/21 yomiDr.
 がん患者の心身の痛みなどを和らげる「緩和ケア」が広がっている。がん治療の拠点病院の医師らに、緩和ケア研修の受講を強く求めるなど、国も普及を進める。病院ぐるみで患者とその家族を支える取り組みも出てきた。(竹井陽平)

  https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200309-OYTET50006/

3/19 iPS細胞から肝臓がん作製

iPS細胞から肝臓がん作製
  岡山大、予防や治療法発見へ期待

 20/03/19 共同通信
 マウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から肝臓がんを作製することに成功したと、岡山大の妹尾昌治教授(生物工学)のチームが19日までに発表した。正常な細胞ががん細胞になる過程を調べる新たな手法ができ、予防法の開発や治療に役立つと期待される。

 チームはマウスのiPS細胞を培養する際、人間の肝臓がん細胞が分泌する物質を与えてがん組織の環境に近づけることで、自ら増殖しながらがん細胞も生み出す「がん幹細胞」を作製。これをマウスの肝臓に移植すると、無秩序に増殖する肝臓がん組織ができた。

 肝臓がんを、遺伝子操作せずに作製したのは世界初という。

   https://this.kiji.is/613108072606172257
「肝生検に伴う出血」での死亡事例が頻発、「抗血栓薬内服」などのハイリスク患者では慎重な対応を
     ―医療安全調査機構の提言(11)
  Gem Med 20/03/19
 Gem Medでもお伝えしている通り、日本で唯一の医療事故調査・支援センター(以下、センター)である日本医療安全調査機構は3月16日に、10回目・11回目の「医療事故の再発防止に向けた提言」として『大腸内視鏡検査等の前処置に係る死亡事例の分析』と『肝生検に係る死亡事例の分析』を作成・公表しました。
 既に10回目の提言「大腸内視鏡検査等の前処置に係る死亡事例の分析」にお伝え済であり、本稿では11回目の提言「肝生検に係る死亡事例の分析」は別稿でお伝えしましょう。
 一般に「比較的安全」とされている肝肝生検でも、「抗血栓薬を内服している患者」などでは大きなリスクを伴うため、十分な配慮が必要であるとセンターは提言しています。
  https://gemmed.ghc-j.com/?p=32967

※日本医療安全調査機構 医療事故の再発防止に向けた提言
 https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=1

 ▽第11号 肝生検に係る死亡事例の分析
  https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=1#teigen011
  ・肝生検に係る死亡事例の分析
   https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-11.pdf

がん5年生存率、全部位・全病期は68.4%、ステージI乳がんやステージI-III前立腺がんは100%―国がん
  Gem Med 20/03/19

がんの5年生存率・10年生存率ともに前年調査より若干向上したが、部位・病期によって生存率は大きく異なる。例えばステージIの5年生存率を見ると、前立腺と乳(女性)では100%だが、肝では62.3%にとどまる。また同じ乳(女性)でも、ステージIIでは96.1%、ステージIIIでは80.0%、ステージIVでは40.0%と漸減してしまうことから、早期発見・早期治療が非常に重要である―。

また10年生存率は、前立腺では97.8%、乳で85.9%、甲状腺で84.1%などとなっており、今後ますます「がんとの共生」(治療と仕事の両立など)が極めて重要な政策課題となってくる―。

国立がん研究センターが3月17日に公表した「全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について5年生存率、10年生存率データ更新」から、このような状況が明らかとなりました(国がんのサイトはこちら(概要)こちら(5年生存率)こちら(10年生存率))(前年の記事はこちら)。

 https://gemmed.ghc-j.com/?p=32973

大腸内視鏡検査前の「腸管洗浄剤」使用による死亡事例が頻発、リスク認識し、慎重な適応検討を
  ―
  GemMed 20/03/18

日本で唯一の医療事故調査・支援センター(以下、センター)である日本医療安全調査機構は3月16日に、10回目・11回目の「医療事故の再発防止に向けた提言」として『大腸内視鏡検査等の前処置に係る死亡事例の分析』『肝生検に係る死亡事例の分析』を作成・公表しました。

本稿では10回目の提言「大腸内視鏡検査等の前処置に係る死亡事例の分析」に焦点を合わせ、11回目の提言「肝生検に係る死亡事例の分析」は別稿でお伝えしましょう。

大腸内視鏡検査の前処置である「腸管洗浄剤」使用による死亡事故は2015年10月以降、12例発生しています。腸管洗浄剤使用にはリスクがあることを医療現場が十分に認識するとともに、X線撮影などを活用してハイリスクの「腸管狭窄が疑われる患者」を把握し、腸管洗浄方法や検査方法なども含めた慎重かつ十分な適応検討が求められるとセンターは提言しています。

  https://gemmed.ghc-j.com/?p=32960

連動研修可能なサブスペ、23領域から15領域に減少へ
  厚労省医師専門研修部会、消化器系は「消化器内科」に集約

  m3.com 20/03/13
  厚生労働省は、3月13日の医道審議会医師分科会医師専門研修部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)で、この3月にまとまった「サブスペシャルティ領域の在り方に関するワーキンググループ」の報告書を説明した。新専門医制度の「基本領域との連動研修を行い得るサブスペシャルティ領域」について、日本専門医機構は内科と外科、放射線科の合計で23領域を想定していたが、15領域に絞ることを提案する内容で、一部異論は出たものの、おおむね了承された。
   https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/739151/

※厚労省 令和元年度第4回医道審議会医師分科会医師専門研修部会
 資料1-1   サブスペシャルティ領域の在り方に関するWGの報告
   https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000608168.pdf
 資料1-2   サブスペシャルティ領域の在り方に関するWGの報告書
   https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000607811.pdf


公立・公的病院等の再編・統合に向けた再検証、新型コロナ受け事実上の期限延長―厚労省
  GemMed 20/03/13
 「がんや心血管系疾患、脳卒中など急性期医療の診療実績が特に少ない」、あるいは「近隣にこうした診療に関する実績が類似する病院がある」公立・公的等医療機関については、「公立・公的等でなければ果たせない役割」を地域で果たしているのか、機能を改めて検証し、必要に応じて機能分化やダウンサイジングも含めた再編・統合を検討することが求められている。
 その検証期限については、▼機能の見直しについては2019年度中に▼再編統合については2020年秋までに―行うこととしていたが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から「改めて整理する」こととする―。
 厚生労働省は3月4日に通知「具体的対応方針の再検証等の期限について」を発出し、こうした点を明確にしました。事実上の「期限延長」と捉えることができるでしょう。

  https://gemmed.ghc-j.com/?p=32852
若年がん患者「妊よう性温存治療」補助求め請願
 Yahooニュース(ABC TV) 20/03/04
 大阪府の吉村知事は、若い世代のがん患者が治療を終えたあとに子どもを産めるよう、卵子などを凍結保存する費用を補助する制度をつくる方針を明らかにしました。
  「妊よう性」とは「妊娠できる力、妊娠しやすさ」をあらわす言葉で、若い世代のがん患者ががん治療としての化学療法や放射線治療を受けた場合、妊よう性が低下する恐れがあります。治療後も妊よう性を維持するための選択肢の1つとしてがん治療を受ける前に卵子や卵巣、精子などを凍結保存する「妊よう性温存治療」がありますが、保険適応がなく自費診療で、医療機関によって異なりますが、卵子凍結保存であれば初期費用に15~45万円ほど、その後の保存に1年ごとに数万円かかるなど高額な費用が必要となります。がん治療自体に医療費負担の大きいがん患者にとっては、妊よう性温存治療はさらなる経済的負担となり、諦める人もいて、若年がん患者を支援する「大阪がん・生殖医療ネットワーク」は3日、府議会に費用の助成制度の創設など経済的支援を求めました。
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200303-00025289-asahibc-l27

大阪がん・生殖医療ネットワーク(OO-net)

※oo-net  https://osaka-gan-joho.net/oo-net/ 
399のDPC病院・19年製品売上 1位はキイトルーダ、前年比109億円増 MDV調べ
 ミクスOnline 20/03/04
  日本最大級の診療データベースを持つメディカル・データ・ビジョン(MDV)はこのほど、全国399のDPC病院で2019年に使用された製品の売上上位10製品を発表した。1位はがん免疫療法薬キイトルーダで、売上は274.6億円だった。キイトルーダは前年4位(165億円)で、この1年間に109億円の増収をはたした。非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、PD-L1陽性なら単剤で、陰性でも標準化学療法との併用でいずれも1次治療から使えるようになったことが急成長の背景にある。2位は抗がん剤アバスチンで売上245.4億円、3位はがん免疫療法薬オプジーボで売上195.3億円だった。

 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68879
がん細胞の増殖・転移を促進する新たながん遺伝子を発見
 福島民友新聞 20/03/03
がん細胞の増殖・転移を促進する新たながん遺伝子を発見
-転写因子NRF3によるタンパク質分解の異常制御を介したがん増悪メカニズム-

【研究のポイント】 ※詳細は別紙の研究概要を参照願います。
・大腸がんをはじめとする様々な腫瘍組織で、転写因子NRF3の量が増加していることを発見した。
・NRF3量の増加によって、がん細胞が増殖・転移しやすくなることを明らかにした。
・NRF3は、タンパク質分解酵素プロテアソームの活性を高めることでがん抑制因子の働きを阻害していることを見出した。

【研究概要】
正常な細胞では、無秩序な細胞増殖による腫瘍形成や他臓器への転移が生じないように「がん抑制因子」が常に監視しています。これまでの研究では、がん抑制因子の働きが失われる場合の多くは、DNAに傷が入る遺伝子変異によるものだと考えられてきました。しかし近年では、がん抑制因子が遺伝子変異していないがん細胞も数多く存在することが報告されつつある一方で、そのようながん増悪メカニズムには不明な点が多く残されていました。
  https://www.minyu-net.com/prwire/PR202003037602.php


  

追記:締め切りは3/13(金)夜までに延長されました。

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3/11()締め切り「悪性リンパ腫とCLLの患者国際アンケート調査」実施中

悪性リンパ腫患者会グループ・ネクサス・ジャパン大阪支部から、リンパ腫・CLL患者国際ウェブアンケート調査のお知らせとご協力のお願いです。

世界52か国82のリンパ腫・血液がんの患者会・患者支援団代からなるリンパ腫連合(Lymphoma Coalition)は、リンパ腫患者さん・ご家族対象の調査を2008年より2年ごとに実施しております。初回から参加しているグループ・ネクサスは、毎回100名以上の回答があり、欧米の患者会の多い中で東アジアの患者の状況を伝えることに努力してきました。

今年の調査にも日本から多くの方が参加してくださることで、日本のリンパ腫医療の特徴、また、進んでいる点や遅れている点などが明確にされ、今後の患者支援活動への大きな手掛かりとなります。悪性リンパ腫およびCLL(慢性リンパ性白血病)の患者さん、またはご家族の皆様、是非ご参加いただきますよう、お願いします。

 

2020年リンパ腫患者国際調査のお知らせ>

・日本語の調査は、以下のURLをクリックしてご参加ください。

Here is the link directly to the survey

・リンパ腫連合(Lymphoma Coalition:本部カナダ)が2008年より行っている調査です。

  (英語ホームページ)   Here is the link to the survey from the LC website  

・リンパ腫、あるいはCLL(慢性リンパ性白血病)の患者さん、そのご家族(お世話をする人)が調査対象です。

・調査は2020311日までの予定です。

・回答に要する時間は1535分で、無記名です。

19言語で世界40数か国、60以上もの患者会・団体が参加しています。

 
追記> 

2018年国際調査の報告」はネクサスのホームページの掲示板をご覧ください。

http://webpage3.world.coocan.jp/cgi/nexus/patio02/patio.cgi?mode=view&no=1332

 



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