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第96回 どこ吹く風2026:02:05:07:07:44
産経新聞大阪本社 地方部編集委員 北村 理
泥沼の衆院選挙が行われている(2月1日現在、同8日投開票)。
争点がまるで浮世離れしている。制度設計がまるでない消費税減税、各党言いたい放題の外国人政策‥。「比較」第1党を名乗る某党に至っては、「首相が私でいいのか選挙」など前代未聞の問いかけを懐と寒さに震える国民に投げかける。コバンザメ与党政党に至っては、便乗して地方限定のローカル政策の是非を訴える始末だ。
昨年来、国民を不安に陥れた、高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げ論議など、与野党とも、どこ吹く風である。
経済成長や賃あげで景気の浮上を主張するが、物価高や、生活の基盤である、医療、福祉、教育をどうするのか放置されたままでは、国民の「いいようのない不安」が解消されず、消費意欲など向上のしようがない。今の政治がどれだけ世離れしているか浮かび上がる。
かつて、佐藤栄作、田中角栄のご意見番といわれた大分姫島の西村英一・自民党副総裁は、筆者が姫島で取材の折、「東京の別宅は、ちゃぶ台ひとつに豆電球のような灯りがある程度だった」と聞かされたことがある。実際、佐藤栄作が「あれほど清廉な政治家はいない」と評した言葉が今も語り継がれる。
本来は政治家自らがそれぐらいの生活を体感してこそ、国民の生活は見えてくるというものだろう。この真理はいつの時代も変わらないはずだ。
今や「どぶ板選挙」など死語となってしまっている。一等地にたつ、議員会館や議員宿舎でこもり、人と交わらず、お勉強しているだけでは、浮世離れしてしまうのは当たり前のこと。えらい時代になったものである。政治不信通り越して、政治不要の時代となったとでもいおうか。
<2026/2/5 掲載>
