第20回「火の用心!マッチ一本火事のもと?」2015:02:16:07:37:23

産経新聞社 社会部記者 北村 理

このところ、立て続けに、知人ががんになった。
といっても、健さんとか文太兄いのことではない。
ひとりは残念ながら亡くなってしまったが、ふたりは治療を受けて、日常の生活を続けている。ただ、このふたりとも厳しい部位のがんであり、また世間一般からみれば、決して楽ではない仕事についているため少々心配しているところだ。

このふたりに違いがあるといえば、働き盛りのひとりははじめてで、もうひとりは現役だが、年齢的には高齢者の部類で、がんは再発だ。はじめてのほうは、当たり前だが、「青天の霹靂」で、不安な日々を過ごしている。このふたりに共通しているのは、厳しい仕事をしてきたため、懲りないところと、あとは、胃腸が丈夫なところか。
やはり、いざというときには、ふだんの生活がものをいう。高齢化を進むなか、がんにかかる可能性は高くなっている。せめて、それまでは、心身ともに健康であるように、生活を送りたいものだ。

そういえば、先日、友人から電話があった。「PETを受けたらちょっと不審なところが、と病院からいわれた」。ふだんけっして気の小さいほうでないので、あわてぶりに戸惑いもした。「明日、精密検査があって即日、結果がでるらしい」。結果が出次第、アドバイスをくれというので待っていた。約束の時間に、息せき切って電話してきたので身構えると、「のどにいくつか小さい潰瘍のあとがあった。タバコはやめろといわれた」。
結局、「最後の一服」がその後も続いている。〝審判の日〟ほっとして、思わずタバコをふかしてしまったらしい。

昨年も、自然災害が頻発した。防災では、いざというときに被害を最小限に抑えることを「減災」という。がんも自然災害も、日本では、いつでもどこでもだれにでも起こりうると受け止め、ことが起ってからあわてるのでなく、たまには、自らの心構えについて考えてみるのもいいかもしれない。

<2015/02/16 掲載>