第2回「始めて良かった~吹田がん患者・家族会~」2012:01:19:09:55:00

「吹田ホスピス市民塾」会長 小澤 和夫

昨年2月に発足した患者・家族会。当初は、患者でない私たちがお世話をして大丈夫かなと、不安がいっぱいでした。「ダメなら止めれば良い」と、開き直った気持ちでのスタートでした。
でも、毎月、例会を重ねるにつれ、皆さんの近況報告、情報交換、在宅医の先生や訪問看護ステーションの所長さんがお見え頂いたり、会員さんが持ち込みのハーモニカ・レコーダー・三線などで一緒に歌ったりと、充実してきました。
そして、中々人には話せないお悩みを話し合ったり。何よりも嬉しいのは、お見えになる方の表情がドンドン良くなられる事です。

これまで、色んな事がありました。

ホスピスに入るように進められたとお見えになった40歳代のご婦人。次の例会にもお見えになり、「この会に来ると元気が貰える」と仰せ。その後暫くして、ホスピスに入られた事を聞いて、病室に電話。「覚えてくれていますか」と聞いたら、大きな、明るいお声で、「勿論ですよ。電話を貰って嬉しい。でも、明日、退院するので、来てもらってもいません」と。その後1週間後に、訃報が。ご主人から、「会に出かけるのを、とても楽しみにしていたようです」と、お礼の電話。

緩和ケアのためにホスピスに入られた女性会員さんからの電話。「痛みが消えないので、転院したい。どこが良いだろうか」。情報提供を申し上げて、別の病院に1週間入院。ウソのようにすっかり痛みが消えて、退院。どうしてもという時は、何時でもホスピスにと言われて、心穏やかに過ごしておられます。

吹田市報に会合の案内を掲載して頂いているので、電話でのご相談も増えています。当方、医療者ではないので、単なる情報提供ですが、一緒にお話しをしている間に、ご自身で考えがまとまり、意思決定をされるようです。

これからも、多くの方に参加頂き、皆さんで活動の方針を決めて、内容を充実していって頂く事を、心から願っています。始めて本当に良かったと、実感しています。

1.発足:平成22年2月

2.目的:がん患者さん、ご家族の交流を通して、
  ①治療や療養に必要な知識・情報の共有を図る
  ②QOL(生活の質)の向上を目指す

3.例会:月1回。土曜日の午後約2時間。

4.会のルール:
  ①患者さん・ご家族中心の運営(世話人を置いています)
  ②政治・宗教・営業は持ち込まない
  ③情報交換は自由。ただし、選択は自己責任で
  ④電話番号など個人情報の交換は、双方の責任で
  ⑤個人情報は他へ漏らさないこと

 

「吹田ホスピス市民塾」会長メッセージ
http://suita-hosupisu.jimdo.com/会長メッセージ/