地域がつながればパワーになる2011:12:16:15:30:46

日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター長 埴岡 健一

年末のあわただしい時間をお過ごしのことと思います。12月3日は「大阪がんええナビ制作委員会」と大阪府が主催した「なんでもがんでも情報は力!展」に行ってきました。がん政策情報センターの「地域発:がん対策市民協働プログラム」も参加しています。

がんの予防から治療まで、患者も医療関係者も行政もさまざまな人が集まる一大展覧会となっていました。
(1)がん予防検定、がんカルタ、禁煙相談などの「がんを知ろう」
(2)座談会、大阪がんええナビのサイト体験、患者相談コーナーによる「がんを調べよう」
(3)オール巨人さんの肝炎経験談、平岩正樹医師の患者相談、患者会ブースによる「がんを聞こう」
(4)がん対策情報の展示などの「がんを考えよう」
--の4つの企画が、大阪府健康科学センター(ゲンキープ大阪)の1階から3階の会場を使って、盛りだくさんに実行されました。

私は、「~北から南から~がん情報座談会」の司会をさせていただきました。4つの地域の活動について6人のパネリストから紹介がありました。
北見NPOセンターの谷井貞夫さんによる「がん予防検定を用いた地域ぐるみ・がん予防プロジェクト」、「青森県よろこびの会」の滝川啓子さんによるがん患者と家族への実際の支援活動のポイントに関する話、徳島県の患者会の「がんフレンド」代表でAWAがん対策募金の理事長である勢井啓介さんと県庁健康増進課長の左倉昇さんによる「各県の好事例を参考に取り組む」、大阪府庁健康づくり課がん対策グループ課長補佐の森元一徳さんと大阪がんええナビ制作委員会代表の濱本満紀さんによる大阪府がん対策推進条例とがん情報の収集と提供に関する解説--の4つです。いずれも患者・市民目線で、"現場感覚"あふれる創意工夫に満ちた活動と感じました。

「情報は伝えたと思っても意外と伝わっていないもの」
「自分に必要な情報を選択してもらえるようにする」
「患者さんが困っていることに具体的に役立つノウハウを伝えていく」
「患者さんの心を開く人間的フォローアップが大切」
「ともによりよい情報を伝えていくスタンスでやっている」
「市長や町長に自分の地域のがんの現況の情報を知ってもらっている」
「やっぱり情報は力になる」
--など、日々の実践に基づいた数々の説得力ある言葉に、会場参加者もうなづくことしきりでした。

情報を力にするためには、(1)情報を必要としている人に、信頼できる人や影響力ある人から伝えること(2)患者・現場・地域発の知恵でノウハウを生み出すこと(3)がん対策に取り組む人的ネットワークによって互いに知恵を伝えあうこと--などが、教訓として浮き彫りになっていました。


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このコラムは、日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター発行の、がんにまつわるイベント紹介や医療政策についての情報を配信するメールマガジン「がん政策レター 2011/12/13(第58号)」より転載しています。

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