リンパ浮腫2011:03:19:18:10:13

浮腫とは、細胞や組織のすきまに組織間液が過剰に溜まった状態です。
いろいろな病気が原因となりますが、毛細血管から細胞の間に漏れ出した組織間液の量が静脈やリンパ管で吸収・運搬・排除される量を上回ることにより、むく み始めます。国際リンパ学会では、リンパ浮腫とは「リンパの輸送障害*に細胞性タンパク処理能力不全*が加わってタンパクが多い組織間液が貯留した結果起 こるむくみ」と定義されています。

リンパの輸送障害:手術によりリンパ管が切断されたり、放射線治療や炎症のためにリンパ管・リンパ節が閉塞してリンパを運搬できなくなった場合 や、生まれつきリンパ管の発育不良でリンパを十分に運搬できないことが原因となり、運び去られるはずの組織間液が過剰に患肢にたまることです。
細胞性タンパク処理能力不全:貧食細胞による細胞性タンパク処理では、リンパ管が障害されることにより運び去られなくなり、その機能も低下するためにタンパクが残される状態をいいます。

以上のような条件がそろえば、手足だけではなく顔面や胸・腹部など全身どの部位でもリンパ浮腫が発症する可能性があります。─小川佳宏 著「リンパ浮腫」より