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10/12 腫瘍内科医によるがん化学療法、がんゲノム医療の質向上、患者満足度向上などどう進めるか―がん対策推進協議会(1)2021:10:13:07:03:44

腫瘍内科医によるがん化学療法、がんゲノム医療の質向上、患者満足度向上などどう進めるか―がん対策推進協議会(1)

 21/10/12 GemMed

がん治療成績は年々向上しており、今後は、そこに加えて「患者の満足度」などのQOLの視点も重要さを増していく―。
  がんゲノム医療については、量の拡大よりも「質の向上」が重要となるのではないか。全国での整備よりも「集約化」を考えていく必要があるのではないか―。
 がん化学療法について、腫瘍内科医が実施しているケースはまだまだ少ないが、腫瘍内科医の育成・配置はなかなか進まない。また、乳がんや泌尿器がんでは「1診療科で治療を完結する」ケースが少なくないが、その場合、どうしても最新治療技術の導入などが遅くなってしまう。こうした点をどう解決していくべきか―。
 10月7日に開催された「がん対策推進協議会」(以下、協議会)で、こういった議論が行われました。
 https://gemmed.ghc-j.com/?p=43541

第75回がん対策推進協議会 配布資料


  協議会では、140項目の「中間評価の指標」を設定し、各種の成果データ(例えば5年生存率や死亡率、拠点病院の整備数、標準治療の実施割合)をもとに、第3期計画の分野別施策(▼予防▼医療▼強制▼基盤整備--)それぞれについて「中間評価」を行っています(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

  10月7日の会合では、▼がんとの共生(就労支援など)▼基盤整備(人材育成や研究など)▼がん医療の充実―の各分野について、中間評価に向けた議論を行いました。本稿では、「がん医療の充実」のうち、▼全体▼ゲノム医療▼手術・放射線・薬物・免疫の各療法の充実―に焦点を合わせ、他の事項は別稿で報じることとします。

  ゲノム医療については、2019年6月に遺伝子パネル検査(100程度の遺伝子変死を一括して検出できる検査)が保険適用されたことを受け、急速に進んで来ています。指標としては▼ゲノム医療を提供する医療機関数▼遺伝医学の専門医師数▼遺伝カウンセリング技術者数▼遺伝子パネル検査を受けた患者数▼C-CAT(がんゲノム情報管理センター)に登録された患者数―などが設定され、いずれも「向上」している状況を確認できます。

  また、がん医療の技術的な側面に目を移すと、例えば▼診療ガイドラインの数▼患者用診療ガイドラインの数▼内視鏡手術の割合▼術後30日以内の死亡率▼IMRT加算などの取得割合▼放射線治療専門医の配置割合▼化学療法を内科医が担当している割合▼臨床研究・先進医療の枠組みで免疫療法を実施している割合▼科学的根拠のある免疫療法について、国民が必要な情報を取得できている割合―などが評価指標に設定されています。