チーム医療2011:03:03:17:48:21

以前は一人の患者に対しては一人の医師が中心となってがん治療を行うことが多かったものを、さまざまな職種の医療スタッフがお互い対等に連携することで患者一人一人の状態に合わせた患者中心の医療や支援を実現しようという体制のことです。具体的なチームの構成は医療機関や患者の状態によって変わりますが、医師については、外科医、内科医、放射線診断医、放射線治療医、抗がん剤治療では腫瘍内科医、細胞や組織などの検査・診断を行う病理医などがいます。また、心や体のつらさを軽減する緩和ケア医、精神腫瘍医、診療内科医、リハビリテーション医、麻酔医などが参加することもあります。これらを専門とする医師が、診断や治療方針について、それぞれの立場から検討します。
さらに、さまざまな専門分野を持つ看護師、臨床検査技師、薬剤師、栄養士、リハビリ専門職(理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST))、ソーシャルワーカー(MSW)などが、治療だけではなく、生活や心の支援について話し合います。
また必要であれば、地域の在宅医療の医師や訪問看護師が加わり、退院後の療養・治療についても検討します。

患者・家族として覚えておきたいのは、このチームの中心には患者がいて、チームの一員としてとらえられることです。患者には治療や療養生活について希望を伝え、一緒に考えて最善の方法を選ぶ役割があります。
また、医療スタッフ側は患者が主体的に医療に参加できるために、治療方針などの説明を分かりやすく伝え、患者を育てることに努力する必要があります。